本日は京都。2023年、2024年に引き続き、京都モダン建築祭に3年目の参加です。が、しょっぱなこちらは建築祭とは関係ない、街角の名もなき名建築。一般住宅とは思えない存在感
側面から見た時の立体感もすごい。どういう構造になってるのか、もともとは古い建物を、改修しつつ今も引き継いでるんかなという感じ。こういう野生の名建築を見つけると嬉しくなる
で、本題はこちら。建築祭に参加するのは3年目だというのに、前回も前々回も来れなかった場所をついに訪問
それがこちら、堀川団地。1950~53年にかけて建設された、日本初のコンクリート造りの店舗付き集合住宅。「下駄履き住宅」と呼ぶらしい
団地は全6棟あったけど、築70年を超えた今、一部は取り壊され、一部は今も住んでる方がいらっしゃって、今回見学できたのはすべて空き家となっている椹木(さわらぎ)町団地
錆びついたポストが見えます。建設当時は、水洗便所と都市ガス完備の非常に近代的な建物だったとか
こちらの左端の店舗には美容室が入っていたようですが、良い感じの廃墟となってます。他の店舗はアート展示などに活用されていたり、建築祭への参加も再生プロジェクトの一環らしい。めちゃくちゃ都市部にあるので、本来なら取り壊される運命でしょうけど、こうやって保存していく動きがあるのはすばらしきこと
そしてようやく内部に初潜入
無造作な配線、剥がれたままの壁も大変良い
外側から眺めていてもグッときた渡り廊下
これだけコンクリートに囲まれた中で、この扉だけ木製。シブイ
こちらは一階の店舗内部。何屋さんやったんかな、かっこいい壁
ボロボロの壁や設備がそのままなのも素晴らしい
アート作品が展示されてたんですが、照明を古い配管に取り付けていたり、環境をそのまま活かした展示方法でおもしろい。消化器のパッケージも古いものがそのまま使われてる様子
こちらの中庭も探索が楽しかった
かつての住民の方々の置き土産?ぜったいに梅酒漬けてはったんやろなという容器が
中庭というよりは狭い通り道という感じ
そんな狭い中庭にも小さな祠が。花瓶がバラバラなのも、それぞれで持ち寄ったっぽく、かつて住んでいた方々や今ここを管理している方々の個性を感じる
祠の中に小さなご神体。この団地の守り神かな
きれいに残されたままの戸口。今にも誰かがガラリと扉を開けて出てきそう
となりの家へ繋がっている、手作り感あふれる石階段
住宅スペースにも入らせてもらいました
玄関入ってすぐの和室
障子の陰影が美しい
玄関入って右側には台所。壁はもちろんタイル張り。昭和情緒たっぷり
ここが住居の一番奥、つまり表通りに面した店舗スペース。シャッターの隙間から表通りの光が差し込んでいます
再び中庭へ
何度見ても飽きない良さが詰まっている
中庭を堪能したので表通り側に戻ってきました
この同じデザインが整然と並ぶ感じが、当時の都市っぽさ、近代っぽさやったんやろな
右手前の縦に長い構造物の中に、上下移動のための階段がありました。上階もあがってみたかったな〜〜
こちらは現役の店舗が立ち並ぶ、堀川商店街
この団地には今も住民の方々がいらっしゃいます。柱のタイル張りがめちゃオシャレ
堀川団地を堪能したので腹ごしらえ。京都に来たらラーメンかハンバーガーを食べたい女、それが私。大変美味しかったです
こちらも建築祭に参加している建物、京都大学の尊攘堂。京都大学は関西クィア映画祭ぶりに来たので、だいぶ久々。こんな建物があるとは知らなんだ
尊攘の名の通り、明治維新の尊王攘夷運動で倒れた志士らを祀ったもの。品川弥二郎が吉田松陰の遺志を継ぎ、明治20年(1887年)建造。石碑には皇紀で記してあるのがさすが
シルエットは日本家屋の蔵のような、でも洋風のデザインが用いられていて、おもしろい和洋折衷
個人的には側面のデザインがかっこよくてお気に入り
内部はシックで品があります
幕末の尊王攘夷運動というとかなり血生臭いイメージやけど、音楽ホールみたいなきれいさ
装飾もシンプルながら凝ってる感じ
京都大学をあとにし、祇園方面へ。京都はあちこちに良い水路がありますが、ここの雰囲気も好き。「あんまマッサージ」が味わい深い
夜のお店界隈、独特のビル看板。大好物です
大阪・心斎橋のヨーロッパ通りや東梅田もですが、夜のお店が立ち並ぶエリアにはなぜか独特のデザインのビルが多い
このへんも、建築祭ではないが野生の名建築
こちらは建築祭参加の建物、祇園くろちくビル。世界的建築家である槇文彦の設計。全景がとてもかっこいいんですが、人通りの多さが鬼レベルの四条通りにあるため、写真を撮るのも一苦労
今回は2階の中庭を見学させていただきました
見上げると丸窓に切り取られた空が
こういう都会のド真ん中の建物にこそ、中庭がある良さとかありがたみをひしひし感じる
そして、ここも今回必ず来たかった場所、祇園甲部歌舞練場。祇園の舞妓さん、芸妓さんたちが「都をどり」を披露する劇場です。以前、京都の五条楽園跡地で見た五条会館も歌舞練場で、ぜひ内部を見てみたかったのでとても嬉しい
敷地内で異様な存在感を放つ帝国ホテル。段々に積み重なってく感じがおもしろい。もはや城
こちらは屋外の舞台。緑青が美しい
何気なく見上げると、すごい透かし彫りが
ここがメインの祇園甲部歌舞練場および資料館。大人気で見学待ちの行列ができてました
中はまず資料館からスタート
舞妓さん、芸妓さんのいろんな道具類の展示も
昔の祇園新地の地図、細部にわたって書き込まれており、すごい。さすが江戸時代初期に端を発する京都最大の花街
圧巻だった部屋。光の差し込み方がきれいすぎてMMDみたい
思わず縦でも撮っちゃう。こういう光と影のでき方も計算なのかな、すごいな
モダンな欄間
この歌舞練場は1913(大正2)年に現在の地に移転・新築されたとのことで、とっくに100年越え
庭にも出ることができました
100年前も、お客さんと舞妓さん芸妓さんたちが、この庭を散策したんでしょうね〜
ブルータリズム建築とかインフラ設備みたいな無骨なデザイン大好きやけど、やっぱ日本家屋にしかない魅力にもとても心惹かれる
こちらの建物の中にはカフェスペースが
渡り廊下。こういう複雑な構造の建物は見てるだけでワクワクする
二階からの眺めもすばらしく。ちょうど紅葉が始まる頃合い。季節を感じる景色ってのは良いもんです
豪奢な着物の展示も
兵庫県・福崎にある柳田國男が幼少期を過ごした三木家でも思ったけど、日本家屋は建具が作り出す陰影が美しい。やわらかく尚且つ深みのある闇というか
別棟に渡る時に、急に洋風の内装と鉢合わせて嬉しいサプライズ
で、こちらが祇園甲部歌舞練場の劇場!すごーーーい!!
舞台上は写しちゃダメだったので写真はないのですが、この劇場に足を踏み入れた瞬間、まさに夢の世界に入り込んだみたいでうっとりしてしまった。今のようにYoutubeやらSNSやらいろんなエンタメがあるわけじゃなかった時代、こういう劇場に来て舞台を見ることこそが、夢の世界に連れてってくれるような唯一無二の体験やったんやろなぁと
二階席にも上がらせてもらいました。舞台上も本当にすばらしかったので、機会があれば都おどりも見に来たくなった。舞台作品ってのは、チケットを取るところから始まり、どんな格好で行こうかなと考えたり、劇場に向かうまでのワクワク感や劇場に集まってくるお客さんたちの賑わい、劇場内の雰囲気もすべて含めて、現地で体験するからこそ楽しいとヒプステでさんざん感じたので
釘隠しもかっこいい。モダン建築祭のおかげで、普段は足を踏み入れられない場所や、なかなか行く機会のない場所にも来られて本当に楽しかったです
おしまい
※京都モダン建築祭にて撮影
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