「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」、通称「イケフェス大阪」に今年も参加してきました。が、しょっぱなイケフェスとは無関係の神社からスタート。せっかく大阪南部・鳳まで来たので、地元の神社にお参り行っとこうと思ったら、まさかのドデカ神社で興奮。和泉国一宮ということで、ここ和泉国・泉州周辺でもっとも格式の高い神社。鳳にこんな立派な神社があったとは。やはり駅で降りて街中を歩いてみないとわからないものです
拝殿には菊紋。さすが
出雲大社タイプの拝殿と本殿の配置。こう、本殿のまわりが広くぐるっと囲まれてるレイアウト。本殿との距離があって神様に近寄りがたい感じ、好きです
平清盛・重盛親子もこの神社に戦勝祈願のため立ち寄ったらしい。重盛ね〜「遙かなる時空の中で3」のミキシンね、還内府ね〜!死んだはずの内府(内大臣)重盛が生き還ったってことで還内府ですが、還内府って言葉がかっこよすぎて忘れがたい
こちらが今回イケフェスで特別公開されていた建物、旧福井邸。現在はリノベーションされ宿泊施設となっています
もともとは大阪・船場で商売をしてらっしゃった先代が建てた別邸で、先代の趣味の良さがめちゃくちゃ反映された素敵なおうち。ちょうど先代の息子さんである現オーナーさんがいらっしゃって、家の中や庭をご案内いただけました
入ってすぐの客間。早速すばらしい眺め
木彫り作品の展示もしてたんですが、精巧かつどこか面白みのある顔立ちの龍の木彫りがまたこの空間に似合う
建具もすばらしい。もうこういうの造れる職人さんがいないらしいので大変貴重
丸窓には竹細工が使われててオッシャレ〜
吹き抜けから見える梁にテンションが上がるのは私が大工の孫だからでしょうか。ただでっけーもんが好きなだけかもしれない
昭和チックな照明器具も素敵。建物をリノベーションした時に、しまわれていた器具などを復活させて再利用しているそう。古き良きものを次代に残していくの、すばらしいな
奥の居間。角の文机が、この別邸を建てた先代のお気に入りの場所だったとのこと
ちゃぶ台の使い込まれた感じ、いとおしい
この場所がお気に入りって気持ちわかる。雪見障子から季節を写す木々が眺められて、さぞ筆も進んだことでしょう。山代温泉にあった北大路魯山人寓居を思い出す
なつかしの黒電話。今も使えるらしい
欄間のデザインがあんま見たことないタイプと思ったら、源氏香という図柄らしい。5種のお香を嗅ぎ分けてその組み合わせを縦線横線で表す遊びで、各図柄につけられた名前は源氏物語に由来しているとか
こちらがその源氏香の図柄。欄間といえばよく見るのは風景だったり城だったり、わりかし派手なデザインが多いのに、こういう幾何学的で風流なデザインを選ぶあたり、先代の趣味の良さがうかがえる
お風呂のタイルがかわいい。右の壁タイルは、リノベーションの時に作り直してもらったものだそう。すぐ近くに浜寺という景勝地があって、海辺に松林が植わっている景色をタイル職人さんがモチーフにしたんだとか
ひとつひとつ模様が違ってておもしろい
こちらはいかにも趣味部屋という感じの洋間
この床がすごい。リノベーションの時に一度すべて剥がして、断熱材とか入れ直したらしい。めちゃくちゃ手間とお金かかったでしょうねぇと大感心してしまった
この壁もおもしろい。刷毛で撫でつけて、手作業で生み出した模様なんだとか。だからもう修理とかは不可能らしい。もはや絵画
まるで映画のワンシーンのような、江戸川乱歩の小説にでも出てきそうな雰囲気
さらに茶室までございます。先代はほんまに風流人やったんやなぁ
台風が来た時なんかは雨戸を閉めるのが大変とか、気づけばどこかかしら雨漏りしてるとか、古いおうちならではの維持の大変さもお聞きして、それでもこうして大事に保存して残していく努力をしてくださってるの、大変ありがたい
庭の入り口に掲げられた「簡素」の字が、先代さんの価値観を示している
柿や桜や松の木が植えられた庭。植木職人さんに手入れしてもらうのも大変とのこと
古き良きものも、常にいろんな努力によって保たれ残されている。私は時の流れのまま廃れ朽ちていく姿にも美を感じますが、一方できれいに保存維持していこうとする人の心や姿勢にも美しさを感じます
さて海側を目指して歩いていると、イイ感じの歩道橋を発見
1972年竣工とのことで、すでに50歳。そりゃ味わいも出る
イイ感じの暗渠も発見。CBCテレビ「道との遭遇」という番組のダイジェスト版がYouTubeで見れるんですが、番組のせいで暗渠にも興味が湧いてしまって街歩きがより楽しい
このへんは大正〜昭和期に大阪市民の別荘地として売り出されていたらしく、大きなおうちが多い。こちらの洋館は、大正期にホテルを建てようと計画されていたけど実現せずに終わり、その設計図の一部をもとに建てられたとのこと。なんとなくフランク・ロイド・ライト設計のヨドコウ迎賓館っぽさがあって好き。モダンな神殿感というか
浜寺周辺のマンホール。灯台に帆船という、いかにも海辺の街っぽいデザイン。波も炎のように激しくてかっこいい
こちらもイケフェス参加の建築物、南海鉄道の浜寺公園駅舎。ヨーロピアンとジャポニズムが融合したような独特の存在感
駅舎は明治40(1907)年竣工、大阪市中央公会堂や東京駅を手がけた辰野金吾と片岡安による設計。現在はギャラリー・カフェとして活用されています
内装も幾何学模様でかっこいい
現在はギャラリーとして使われている、特等車のお客さん用だった待合所。この駅から歩いてすぐの浜寺公園に南海鉄道が海水浴場を開設して、周辺が別荘地だったこともあり、夏にはたくさんの人が集まったらしく、かつては急行列車に特等車が割り当てられてたほど。戦後、浜寺公園はアメリカ軍に接収され、返還後は臨海工業地帯として埋め立てられたため海水浴場は姿を消しましたが、今も地元の方々に愛され大切にされてるのを感じる
それにしてもここまで色褪せたミャクミャク様は初めて見た。赤をすべて失っている。何十年前のポスター?ここだけ時空歪んでる?
駅から歩いてすぐのところに美味しそうなハンバーガーショップを発見。ねぎ塩ベーコンバーガーをいただきましたが、とてつもなくビールがすすむ美味しさ
少し歩くといつの間にか堺市から高石市に突入。近くに羽衣駅っていう駅があるんですが、どうやら羽衣伝説が残っているらしく、昔々ある天女が浜寺の松林の美しさに見惚れて地上に降り立ち、羽衣を松にかけて海辺で遊んでいたところ、漁師に羽衣を奪われ天に帰れなくなったというお話。なのでマンホールにも海を表す青海波と、おそらく松葉を表す模様が描かれてるのかな。松葉のデザインおっしゃれ〜
羽衣伝説って日本各地にあって、とくに松林と関連が深いように思うが、なにか由縁があるんやろか。だいたい天女って松の木に羽衣かけてる気がする
羽衣駅方面に向かって歩いていきます。私好みのシブいマンション
駅前商店街もとても良い。電灯も点いてたり点いてなかったりする
こちらはJRの高架。高架鉄道ってなんでこんなにワクワクするかなって考えると、私がでっけーすっげーモン好きやからでしょうね。高速道路や橋も好きなので
高架下に駐輪場がある多層構造、とても良い
高架を支える立派な足。錆びつき具合もかっこいい
駅構内に上がる階段の一部が閉鎖されてました。利用客の減少が原因?もう使われていない階段っていうのもグッとくるものがある
こちらは現役の階段。この雰囲気、いかにも昭和に建てられた駅という感じ。なんやろ、円柱の太さとか天井の高さがそう感じさせるのかな。たまりません
東羽衣駅は鳳駅からたった一駅だけピョッと伸びてる枝線なので、ホーム端っこに車止めがございます。終端駅ならでは
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ところ変わって京都。「蹴上」と書いて「けあげ」と読む、京都市の南東に来ております。ここは以前歩いた琵琶湖疏水の京都市側。奥に見えるレンガ造りの洋式建築はポンプ室で、中にポンプがあるだけなのになぜこんなに立派な建物が造られたかというと、大正天皇が皇太子の時に琵琶湖疏水を船で渡る計画があったらしく、その時に京都側で高官たちが皇太子をお迎えするために建てられたとのこと
本日は滋賀県大津から続くこの琵琶湖疏水の京都市方面を歩きつつ、建築物を愛でたりファッションを愛でたりします
さっそく見えてきたのがこちら、蹴上インクライン
インクラインっていうのをここで初めて知ったんですが、水路を渡ってきた船をそのまま台車に乗せてケーブルで引っ張り、斜面を上り下りさせる傾斜鉄道のこと。今なら貨物列車やトラックに乗せて運んじゃうような場所も舟に頼ってたわけやから、それぐらい昔は水運が物流を担っていたってことなんでしょうね
蹴上インクラインは1891(明治24)年敷設、琵琶湖疏水はさらに古く1885(明治18)年に着工。最近読んでた本で、アフリカや南アメリカでは内戦やゲリラ活動が続き、国が国として機能していない、インフラや教育が遅れ国民生活に多大な影響が出ているが、日本は幕末にクーデターが起こって内戦状態になり、統治者も統治システムも完全に変わってしまったのに、その直後の明治時代にインフラ整備や学校建設に力を入れたおかげで国家として崩壊しなかった、というような話を読んで、改めて明治期に国民生活向上に尽力してくれた方々に感謝と敬意をいだいてしまった
水門とデカ灯篭という珍しい組み合わせ
蹴上インクラインのすぐそばにあるのがこちら、本願寺水道水源地。「京都モダン建築祭」の一環で特別公開されてました
1895(明治28)年竣工の貯水池。たびかさなる火災で焼失した東本願寺を守るため、琵琶湖疏水から防火用水を送水していた本願寺水道の水源地。ここから東本願寺まで続く配水管は約4.6kmの長さがあるらしく、これも明治期に造られたんやからすごい
どことなくローマとかテルマエロマエ的な雰囲気がありつつ、がっちりとキレイに積まれた石積みは日本の城っぽさもある
他の方のブログを見たら数年前は草ボーボーだったようなので、この場所もきちんと保存していくため動いてる方々がいらっしゃるんやなぁとしみじみ
今はもう使われていない貯水池ですが、景色がすばらしく、現役の浄水場も見える
インクラインに戻ります。こんなふうに舟を台車に乗せてレールの上を運んでいったわけですね。後ろのでっかい車輪でケーブルを引っ張ってたのかな
1902年頃のインクライン(C.H. Graves, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)。本当に水路からそのままレールが続いてる。不思議
今は遊歩道として整備されてます。天気が良かったのもあって、たくさんの人が行き交ってました。桜のシーズンはもっと大盛況らしい
途中にも台車と舟が。これをケーブルで引っ張ってたんやからすごい。しかもなかなかの斜面なのに
車道のすぐそばを舟がレールに乗って運ばれる、なんともおもしろい光景
インクラインは次第に車道よりも低くなり、橋をくぐってその先の水路へと続いていきます
インクラインが再び水路につながる地点に、疏水記念館があったので立ち寄りました
今はこんな景色。でっかい水路が市中に向かっていく感じ、かっこいい
インクラインのわかりやすい模型発見
琵琶湖疏水物語で、まさかの大鳥圭介の名前を発見。久々やな圭介!生まれが播州(現在の兵庫県赤穂郡)なので勝手に親近感をいだいている大鳥圭介、旧幕府側の人間で江戸城開城時には榎本武揚とともに交戦派主力として自身の歩兵隊とともに江戸を脱し、土方歳三らと宇都宮、会津、箱館五稜郭と転戦したのち新政府軍に捕えられたが、赦免されて明治期には産業や工業面での発展に貢献したという。幕末の本はいろいろ読みすぎてるのでもはやなんの本で読んだか忘れたけど、宇都宮や会津の山深くを行軍しているとき、戦いのことばっか考えてる土方歳三の横で、大鳥圭介は深谷に架けられた橋を見て「これはすごい」「人々の知恵と努力の結晶…」と感嘆してたりして、で土方も、新時代の日本には戦うことしかできない自分よりも大鳥圭介のような人物の方が必要だ、みたいに言うんですよね。対照的な二人でとてもおもしろかった。そんな大鳥圭介、琵琶湖疏水とも縁があったなんて。本当に明治時代の人たちはすごい
記念館の庭からは疏水が間近で眺められます。疏水フェチにはたまらないな
こちらがインクラインの終着地点
石垣と繁茂する草がちょっとした古代遺跡感
遠く滋賀県大津から京都市内にまで至る疏水の大事業っぷりを改めて感じました。は〜〜〜昔の人はすげーなぁーー!(地面大の字)
さて疏水沿いを少し歩けば見えてくるのがこちら、京セラ美術館。1933(昭和8)年開館、現存する公立美術館ではもっとも古いとのこと。洋式建築に和風の屋根をのせた「帝冠様式」という和洋折衷の建築デザインらしい。レンガ積みの上にお城みたいな屋根があっておもしろい
初めて中に入ったんですが、館内もすごかった
レトロクラシックな雰囲気なのに、柱にはデジタルサイネージのパネルが巻かれ、文字や模様がデジタルで映し出されたりしてすごい
体育館みたいな広々とした中央ホール。一面が白いのってこんなに迫力あるんやなとビックリ
昔ながらの雰囲気を残した空間も
モザイクタイルかわいい
天井の模様も可憐
こちらが今回の建築祭で特別公開されていた貴賓室
扉からしてすごい重厚さ
品のあるデザインの美しさはもちろん、彩光具合がとてもきれい
こういう細やかな部分もぬかりなく
やっぱり光の入り方も計算されてるんでしょうね。すごいな
めっちゃかっこよかった扉のレリーフ
京セラ美術館に来たのはもうひとつ目的があって、GUCCIの日本上陸60周年を記念した展覧会を見に来たんでした。さすがパンフレットも厚みのある良い紙使ってた、こういうとこでケチってたらブランドの価値が下がっちゃうもんな。広告業界の人間なので紙やらブランディングやらも気になってしまう
本展示では誕生から100年以上に渡るGUCCIのアーカイブ作品を見れるだけじゃなく、すべて撮影OKという太っ腹っぷり。個人的にはスカーフの柄がささりまくりました
馬の鞭がモチーフとなった柄。GUCCIってなんか馬モチーフのイメージあるなとはぼんやり思ってたけど、その理由は創業者のグッチオ・グッチの実家が馬具製造をしていて、GUCCIというブランドも乗馬アイテムや旅行カバンから始まったらしい
手描きのパターンも見れてワクワク。洋裁まったくしないですが、こういうのを見るのは好き
やっぱジョジョを思い出すなと思ってたら、ちゃんとジョジョあってニッコリ
ハイブランドをジョジョ6部でしか知らん私でも、GUCCIといえばこのグリーン×レッドというイメージ。配色かっこいい
植物モチーフの柄も多くてきれいでした。一気にGUCCIのスカーフ欲しくなった
こういうカラーリングもかっこいい
特徴的なGGマークが誕生するまでの過程も見れる。まぁ私はGGマークというのをここで初めて知ったわけですが
ファッション小物もいいけどやっぱ服のデザインが素敵
靴もイカしてる
特にテンション上がった展示、セレブからオーダーされた衣装などがずらり
ドレスにしろジャケットにしろ、どれもシルエットが美しい
こちらは船舶関連をモチーフにしたデザイン、なので当然ジョジョ8部っぽいなどと思ってしまう
持ち手に竹素材を使っているバッグは、竹林から生え出たような展示方法
かっこいいバッグだ。ブランド物へのこだわりが一切ないのですが、ひとつぐらいはハイブランドのかっこいいバッグを買いたいという憧れはある
歩き回ったので壬生あたりで久々に新撰組諸君への想いを馳せながらのラーメン半チャー。京都にきたらラーメン。ぜひラーメン、おすすめです
おしまい

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