半田もやはり水運で栄えていた様子。立派な半田水門がそびえ立っております
運河沿いにめちゃくちゃ大きい蔵が続いてるなと思ったら
この見覚えがありすぎるマーク。ミツカンです
どうやら半田はミツカンの支配地域らしく、たくさんの醸造蔵が街の景観をつくりだしておりました
ミツカン本社研究所前に残された建物の一部
かつての旧中埜銀行本店だった建物の遺構で、ミツカン創業者である中埜家の経営のために造られた銀行、のちに研究棟としてそのまま使われていたようですが、現在はその一部を残すのみとなったらしい。昨日碧南の漁港で見たレンガ造りの貯氷庫といい、建物もいろんな残し方があるんやな
こちらはかつての半田運河の様子。こんなに水面と建物が近いと、水害対策も苦労が多かったやろうし、その結果の水門かなと推測
川沿いにはミツカンのミュージアムもあって、寄って行こうと思ってたのにちょうど改装工事中!ウワーン。仕方ない、調べて行かないのが悪い。訪れたい場所について、基本あんまり下調べせずに行きたいという思いがありまして、ネタバレがイヤなので
ミュージアムの建物に設置された旧住所の看板を見て、今さらながらここは尾張なんやなと。昨日いた碧南市はもとは三河だったので
川沿いから一本内陸に入った道も、とても風情ある感じ
銅板の緑青がうつくしい。写真では太陽光が反射しちゃってよくわからんけど
いい街並みやなと思ってたらそれもそのはず、大変立派な木造建築が。こちら小栗家住宅という、江戸時代から昭和初期にかけて建てられた地元豪商の屋敷群とのこと
内装もさぞすごかろうことが外観から想像させられる。国指定登録文化財に住むって、いろんな苦労ありそう。こういう建具を造れる職人さんがもういないとも聞きますし。しかし残してほしいこの姿
はす向かいにも、これまた立派な邸宅が
こちらは旧中埜半六邸、やはりミツカンの創業者である中埜家の親戚にあたるよう。明治22年築というからすごい。そのたった22年前まで江戸幕府の治世だったわけですもんね。現在母屋は完全予約制のレストランとして使われてるようです
真ん中がせり出した独特の形、すごくいい。姫路の祖父の家を思い出させる
中入ってみたいなぁ〜〜〜〜!どんな構造になってるんやろ
母屋の中には入れませんが、離れの炊事場は開放されてました
復元された大きなかまど。実はこの邸宅、かつて陸海軍連合大演習がおこなわれた時に明治天皇の侍医の宿泊所になったり、大相撲の興行では横綱が泊まったりした由緒ある場所なのに、その後住む人もなく建物も庭園も荒れ放題になっていたとのこと。敷地を買い取った半田市が取り壊しをするつもりだったけど、反対運動があって、建物も庭も修繕して保存することになったそう。たしかにこんな建物残しておいてほしいけど、やっぱ維持管理はめちゃくちゃ大変なんやろな
取り壊し反対運動の中心だった方々によるNPOが、イベントなどで費用を集め9年もかけて建物を修復していったけど、財源となっていた母屋一階の豆腐屋さんがコロナ禍で閉店してしまって大ピンチに。そこで、この炊事場のかまどを修復して竈焚きご飯の試食会をしたりして、集客につなげようという動きだったらしいです。すごいなぁ、こういうことに力を尽くせる人たち
なんか樽?醸造に使ってた樽かな?とか思ってたんですが
運河から水を引き入れる井戸だったらしい。庭園まで水を引き込み、運河の水位によって庭に水が流れたり引いていったりする「潮入庭園」と呼ばれる造り。自然の力を利用して庭園に変化を持たせるなんて、昔の人はおもしろい仕組みを考えつくもんだ
現在も潮入庭園システムを続けているのかは謎ですが、この日の庭園の水は引いていました
それにしても見事な庭。剪定されすぎず、人工的すぎず、かといって無秩序でもない感じ。ちょうどよく母屋が見え、ちょうどよく目隠しにもなってる。この庭も荒れ放題だったというから、ここまできれいに整備し直した方々に尊敬しかない、おかげで私のような余所者も景観を楽しめる
そら花の写真も撮っちゃう
母屋一階には坪庭のようなものもあり、奥ではバームクーヘンを売ってる小さな店舗がありました
地域住民やさまざまな方々の努力によって保たれている歴史だったり習俗だったりってすばらしいな
半六庭園のすぐお隣には、酒蔵「国盛」の建物が
こういうのも扁額というのだろうか。かっこいい
こちらは小栗家創業の造り酒屋。小栗家と中埜家はいろいろ親戚筋だったり養子関係だったり、昔の地方有力者によくあるややこしい血縁関係で何が何やらな感じらしい。でもそういうややこしい血縁関係も好き。欧米でもそうやけど、名家ほど襲名とかで同じ名前の人がたくさんいてややこしくなるやつ
こちらにはなんと明治時代に陸海軍の大演習がおこなわれた際に大本営となった建物があったそう。まさか軍事関係に触れられるとは思わずつい興奮
半六屋敷のはす向かいにあった小栗家住宅、当時からこんなに立派ででっけぇ〜〜敷地やったんやな
蔵の中は見学可能ですがこのあと団体さんの予約が入ってたらしく、「今なら入れます!」とスタッフの方にすすめていただき、それなら行かねばと突入。庇の上にはちゃんと杉玉が飾られてました。奈良の大神神社のあれ。こないだの年末行った行ったーとひとりニヤつく我
さっそく急階段の歓迎を受けました。これしきじゃへこたれないぜ
二階というか三階にあがると、酒蔵として使われていた当時のままの造り。立派な梁だぁ!大工の孫やからか、でっかい梁を見るとテンションが上がってしまう
古い建物に残ってる大工さん、棟梁さんの名前。大工道具を見えないところに残すパターンもありますよね。俺がやったんだぜって名を残す行為、アチィ
むっちゃくちゃでっかい水車みたいなのがあって、かつて瓶詰めした商品だったり樽だったりを一階に下ろしたり逆に持ち上げてきたりするのに使っていたそう
酒枡を使った飲ん兵衛のためみたいな飾り棚。シャレとる
昔のラベルいろいろ。商品ラベルのデザインとかも好きです。マンホールもそうやけど、制限されたスペースにいかにデザインするかみたいなんが好きなんやろな
昔の酒造りの道具に貼られていた、いわゆる製品品質表示ラベル的なやつ。愛知県知多郡牟田町にあった農具屋さん。調べたところ、今はもうない住所っぽい
明治二十八年の、内国勧業博覧会の賞状。審査官の名前も時代を感じる
これはなんやろ、いろいろ県名が書いてあるけど、と食い入るように見てたらスタッフの方が声をかけてくださり、各県の米の等級を示す記号一覧表と教えていただきました。各地でこんなにも違ってたなんて驚き。近い地域はやっぱ似たような表示だったり。そして兵庫県はやっぱ酒どころなので書かれてる地名(國名)も多い。誇らしいぜ
九州や東北地方までずらーっと。なんで群馬の上野だけえらい独自性出してきてるんやろ。ということを考えてたら、そもそも上野って書いてなんで「こうずけ」やねんということが気になってきて、私は「忠臣蔵」の吉良上野介の読み方で覚えてるんですけど、普通に考えたら「こうずけ」とは読めんやろと思って調べてみたら、かつて4世紀頃は「毛野(けの)」という地名で、それが5世紀付近に上と下に分かれ「上毛野(かみつけの)」「下毛野(しもつけの)」となり、そこから「上野(こうずけ)」「下野(しもつけ)」に転じたらしい。なるほど間の文字がなくなったが音だけ残るパターンね、あるよねそういうの
昔は国内だけじゃ米の生産量が足らず、朝鮮の米も使って酒造りをしていたらしい。興味深い話を聞き、さらに酒の試飲もさせていただき、いい気分で酒蔵を後にしました
ところで愛知にきてから地元の神様にご挨拶してなかったので、近くにあったかっけぇ名前の神社へ。なりは、と読むらしい。創建は不明、1600年台に再建された記述があるため少なくともそれ以前からあったという下半田の氏神さま
こういうでかすぎない拝殿も好き。でかすぎる拝殿も好きやけど。単純にでかいって物質的パワーがあるので
あまり見ない種の御神木。なんの木かしら
さて挨拶も終え、ゆっくりはしてらんないとJR半田駅に向かえば、駅前にはドーンと蒸気機関車が!
今から乗る武豊線をかつて走っていたSLらしい。武豊線は1886(明治19)年開業、愛知で一番古い路線。なんで知多半島を南北に走る路線が、愛知で最初に開業したのか。日本で一番最初に開業した路線が新橋〜横浜間、次に大阪〜神戸間で、明治政府はこの東西の路線をとにかく早くつなげたかった。そのためには東海地方の開拓が必須だったが、建材をどうやって運ぶかと考えた時に、武豊港(現・衣浦港)で建設資材を陸揚げし、その建材を運ぶために造られたのが武豊線だった、という流れ。意外と地方の路線が港の方から始まることが多いのって、このパターンが多い感じする。山陰地方の鉄道が境港から始まったように
名古屋行きの区間快速に乗り込みまして、大都市へ直通。JR東海の方向幕、古き良きフォント
あっというまに名古屋。これが噂の日本一高い駅ビル
ジブリパークのもののけ姫の吊り下げポスターが、え?そこ?って感じのシーンで笑った。私は好きやけど。物語冒頭でアシタカたちの村を襲ったナゴの守と、アシタカがいた櫓ね。おびえて動けなくなったヤックルをアシタカが矢を射ることで正気に戻させるとこが好き
本当は名古屋でもちょっと遊んでいきたかったんですが、この広大な名古屋駅にあるコインロッカーすべてが使用中で、重たい荷物を下ろすことができず、これもしかして今から向かう東京も、駅ロッカーまったく空いてないのでは…?という危機感に駆られ、名古屋には1時間ほど滞在しただけで東京に向かっちゃいました
というわけで東京編につづく!
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