伊賀上野の建物探訪

2022年10月22日土曜日

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 Twitterでたまたま三重県の伊賀上野にあるイイ感じの建物写真を見たので、お?いっちゃう?という軽いノリで旅してきました
大阪からJR大和路快速でまず加茂へと向かうわけですが、おもしろいのが大和路線って、大阪府から出発して奈良県をまたいで木津で京都府に入って、でそっから関西本線に乗り換えて、今度は三重県に突入する。日帰り旅行やのに二府二県を通れる。だからなんやって感じですけど謎に楽しい


関西本線亀山行きは初めて乗ったんですが、非電化のディーゼルカーで、エンジン音が独特。うぅーーーーってずっと低くうなってる感じ
一両編成で山間を縫いながら川沿いを走っていく車窓の景色を眺めていると、ちょうど最近読んでた柳田國男「遠野物語」の初版序文を思い出す

国内の山村にして遠野より更に物深き所には又無数の山神山人の伝説あるべし。願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ。

「平地人を戦慄せしめよ」ってワードが最高やなと思って。柳田國男が「遠野物語」を編纂した明治43年(1910年)当時は、庶民の生活もどんどん西洋化が進んで山が切り開かれていった時期やろうから、山への畏れを忘れるなみたいなメッセージもあったのかな
日本のあちこちを旅行してて思うけど、ほんとにこの国は山深い土地。人の文明や光の届かない暗がりに、霊や怪奇や物の怪のたぐいや恐ろしい神たちの存在を感じるのは当然と思ってワクワクする

伊賀上野駅に到着して即座にあちこちで忍者に出迎えられます

とにかく忍者の主張がすごい。こちらは松本零士デザインによる伊賀鉄道のラッピング電車

もちろんマンホールも期待を裏切りません
そういえば松尾芭蕉はこのあたりの出身らしく、看板や銅像がいろいろ建ってたんですが、松尾芭蕉も忍者説あったなと急に思い出しました。「奥の細道」で日本を旅したのもスパイとして情報収集のためとか言われてた

服部川に揺れるすすきと黄色い花たちを見てると、あ〜秋の里山の風景〜〜なごむ〜〜〜としみじみ

腹ごしらえにうっどーん
おにぎりは、ついかやくご飯を選んでしまうハマ女


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市街地へ向かって歩いていると、不意に見えてくる高楼

めちゃくちゃ立派な白亜の建物
旧小田小学校と呼ばれるこちら、なんと明治14年(1881年)に建てられた小学校の校舎です


玄関までのアプローチもおしゃれ

破風にはそれぞれ意匠の鬼瓦が

見えにくいですがこちらにも

玄関ポーチ上の竜の彫刻もすごい

洋風建築ですが、扉とかは神社仏閣みたいで、この和洋折衷な感じがたまらない

玄関でスタッフさんとともに迎えてくれた亀さん、甲羅にコケが繁茂しててすごい貫禄だった

内部には当時の教室の雰囲気がそのまま残されています




紙や鉛筆が普及するまで使われていた石盤と石筆
自由に試してOKという寛容さ


この机には「石バシ」という子が座ってたか、あるいは友達の名前か

こちらは昭和時代の子供達の作品ですが、のちのち明治時代のものとかも出てきて、やっぱ紙ってすごいなって感動。いまHDDに保存してるデータなんて100年もつかわからないし




すごいのが、大正・昭和時代のリードオルガンやピアノが置いてあって、しかも自由に弾いていいとのこと
なので遠慮なく弾きまくりました

こちらは調律が狂いまくってたピアノですが、音の響きは深かった




絶対夜中に歩き出すタイプの人体模型

これは噂の教育勅語!
いろんな資料を通して、日本の幕末から現代に至る学校教育の変遷も見れておもしろかったです


日本外史だー!近藤勇が愛読してた(ってよく新撰組関係の本で書かれてる)やつ!写真でわかるとおり坂本龍馬も愛読してたようです

ここから二階へ
うちのおばあちゃんちもやけど、昔の日本家屋の階段の急峻さったらない。そして踏むごとに木の軋む音がしてちょっとスリリングな感じも

この色ガラスは建造当時にわざわざ神戸まで出向いて調達してきたそう。私は神戸出身なので、こんなところで郷里の物と出会うなんてと縁を感じた

時を知らせる時鐘。鳴らしてOKとのことだったので鳴らしてみたら、びっくりするぐらい音が鳴ってちょっとビビった

こちらはめずらしい燭台付きのピアノ。当然弾いてOKでしたし、当然調律は狂ってましたが、貴重な体験でした


二階の展示では幕末から現代にかけて学校教育で使われてきた教科書がずらり



内容がいかにも戦時中という感じ

戦後GHQの指導で一部墨塗りにされた教科書

めちゃくちゃでかい教科書というか読み物。あったなーこういうの!先生が教壇でこれ開いて、クラスみんなで音読する的な

近隣学校の記章。こんな小さい物が残ってるのがすごいし、一堂に見れるのもすごい

シャレたデザイン。「大日本帝国大阪市」と書かれてます

明治時代の卒業証書!一番右には「三重県平民」という文字が

おもしろかったのがこの「錦絵修身談」。明治に入って教育のために守るべきこととかが錦絵で描かれてて、でも西洋化が推し進められていたので人物たちは西洋風という、なんともごっちゃな感じ

バルコニーには先ほどの色ガラスから復元されたものも

ちょうど夕日が差し込んで、嘘みたいに鮮やかな色が床や壁を彩ってました


静かで落ち着く良い空間でした
スタッフさんとちょっとしゃべってたら、「今日はお祭りを見にきたんですか?」と聞かれ、えっお祭りあるんですか?って話になり、いろいろ教えていただきました
以前も静岡掛川や、福井敦賀で立ち寄った街で、たまたまその日が祭りの日で、ということがあって、狙って行ったわけじゃないのに良い巡り合わせに見舞われることが多い。こういう偶然の出会いも旅の楽しみ


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というわけで、祭りの中心部の方へと歩いていきます

途中で出会った立派な酒屋さん

街中を突っ切る伊賀鉄道の踏切
このへんから街ゆく人の中には浴衣姿がちらほら見えて、祭りの空気がぐっと濃くなる

そして教えていただいた通り、だんじりを発見!
各町ごとにだんじりがあるらしく、大阪の天神祭みたいと思ってテンションあがりました。実際このお祭りも、上野天神という天神さんのお祭りでした

ちょうど夜に向けて提灯を取り付けてるところ

街中にも古い建物がたくさん残されてました

金属で文字をかたどったシブ看板

おそらく天神さんの氏子さんのお宅で、こういう提灯が立てられてるのかな?大阪の天神祭でも似たような提灯飾りますが、ここまででっかくて立派なのは初めて見た!二階にまで及ぶ高さです。こういうのを個人宅でも飾ってらっしゃったので、人の暮らしに根ざした祭りという感じがしてとても良い

激シブバーバーショップ


こちらも看板がナイス

銭湯好きには有名らしい「一乃湯」さん。建物がまるで「千と千尋」の湯屋のちっちゃい版で素敵

銭湯お隣りの建物も良かった。ベンチとか壁にはめ込まれた模様入りタイルとか


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上野天神にたどり着くと、ちょうど東町のだんじりがご登場
町ごとに法被とかが違うのも大阪天神祭と同じ。こういうのとても好きです

上野天神宮と呼ばれる菅原神社

立派な拝殿でご挨拶

鐘楼は1600年代に造られ、今も鐘が打たれてるとのこと

帰りは近くの伊賀鉄道上野市駅から乗車したんですが、忍者に侵食されすぎてて駅名まで変わっちまっている

こちらの駅でも忍者電車が見れました

レトロ感がすごい座席

伊賀上野駅の駅舎から、暮れなずむ夕焼けと山の稜線をのぞむ

おしまい!

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