忍者と城と酒と乱歩 ー鳥羽・伊勢の旅ー

2018年11月10日土曜日

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ば ば ん
連日の残業につぐ残業と、原稿締め切りも差し迫りまともに寝れてない中、早朝から近鉄電車に乗って、やってきたるは安土桃山城下町


城で謎解きゲームやってるらしいで?なにそれおもしろそう。しかも忍者の格好して謎解きできる。なにそれおもしろそう
という軽いノリで来たんですが、城壁のガチの造り込みにさっそく圧倒され笑うしかなかった。こんなんキングダムで見た!ドリフターズでも見た!


建物も造り込んでいる。いろんなコスプレに合いそう


かようにちょけた格好で城下町を歩き回っておりました。原稿も終わってないくせに


なんと作刀風景をナマで見れました!すっげーーー!!
京都亀岡で刀鍛冶さんと作刀体験したけど、あのときはペーパーナイフだったので、実際のでっかい金槌で叩いて鍛える迫力すごかった
このあと、金槌で叩くのを体験させてもらったんですが、めっちゃくちゃ重い。たった10数センチ持ち上げるだけでも、重!てなって、これを脳天まで振り上げる刀鍛冶さんたちほんとすっごい

ところで城下町での謎解きゲームを楽しみすぎて、まともな写真がほとんどない
謎解きゲームっていうのに初めて参加したんですけど、あんなに凝ってるとは。QRコード読み込んだりLINE使ったり、でも紙をぐるぐるまわしてアナログな解き方もあったり、いろいろ頭使って楽しみました
頭も使うし、プラスあちこち動き回るし、脳みそも体も動かすから、なんか子供みたいに楽しんでしまうんやろな

あと忍者の格好のまま、ガチのハーネスつけてアスレチック遊びもしたんですが、ほんまに森の木々の間にロープ張られただけのとこを渡ってくアスレチックで、揺れるし怖いし楽しかった!普段使わん筋肉めっちゃ使った感



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二見浦駅の美しい夕景
この駅の近くに塩羊羹で有名なお店があるらしく、そもそも塩羊羹というものをこの時初めて知ったんですが、同行者がどうしても買いに行きたい!と、電車がくるまでの20分のあいだにダッシュで行ってダッシュで買ってきました私の分も。自分の分は3本買ってた
けどこのあと鳥羽駅に着いたら、駅の売店で塩羊羹売ってたっていう
悲しいね!爆笑したけど


本日のお宿!は、鳥羽湾を一望できるベランダになんと信楽焼の露天風呂つきでございます
佐賀ですっかり風呂付き部屋の贅沢を覚えてしまった
大浴場を楽しんだあと、もちろんここで風呂入りながらお酒を楽しみました


豪勢な夕食にテンションが上がる一同
鯛の口から紅白が飛び出てるんですけど、仲居さんになぜか結婚記念日の旅行と勘違いされていたからです。女3人の旅行ですけども!それで結婚記念日って関係複雑すぎる


伊勢限定とみられるアサヒスーパードライ


こちらは買ってきたお酒。手前2本が地酒ですが、この梅酒がえっらい美味しかった。普通の梅酒って梅ジュースって感じやけど、これはほんまの梅の味がして
しかし連日の残業と原稿締め切りに追われているせいで、夜の10時にはひとり就寝するという負け犬っぷり。原稿終わってないくせに!以下2日目!



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おはようございます。朝6時に起こされ朝風呂に行き、露天風呂を独り占めしてだいぶゆっくりしました
朝になってよりいっそう眺望のいい部屋だったことに気づきました
鳥羽湾きれい。やっぱ海と島のある景色っていい


お風呂に飾ってあった幕末の鳥羽藩の様子の絵
戊辰戦争に関わっとったんかいなと思って調べたけど、当時の藩主はちょうど江戸にいて新政府軍に恭順したらしく、なぜこの絵では黒煙が上がっているのか謎
宿の人に聞いてみればよかったな


宿の大浴場からは朝の鳥羽湾が一望できてたいへん気持ちよかったです



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さて宿周辺の地図を見ていて急に見つけた「江戸川乱歩館」の文字。まさか無視できるわけはなかった


この館自体はそもそも岩田準一という、絵描き・字書き・民俗学および同性愛研究家の方の生家だったらしく、その近所に江戸川乱歩や竹久夢二が住んでたんだそう
というかまず乱歩が三重出身とは知りませんでした。なんなら日本人ともあんまり思ってなかった。小林八雲ことラフカディオ・ハーン的なひととおもてた


真ん中が岩田準一の絵、となりが竹久夢二の絵
両者の絵はパッと見よく似ているというか、岩田氏の絵を見て最初、竹久夢二の絵かとおもたぐらい。師匠が一緒らしいです
岩田氏は小学生のころに絵の個展をするほどの腕前で、乱歩とも個展で知り合ったらしく、乱歩の著作の挿絵も担当してらっしゃった。この美人画とはぜんっぜん雰囲気のちがうダークな挿絵で、ポストカードまとめて買うた


岩田氏、界隈ではかなりの有名人らしく横溝正史や柳田国男、渋沢敬三からのお手紙が。すごい
才能はもちろん、お写真拝見する限りかなり顔立ちのはっきりした美男子って感じやから、その見た目からも人を惹きつけるタイプの人やったんかもしれん


家の奥には蔵があり、乱歩の著作から「幻影城」の名をとって、蔵の中がオリジナル幻影城風に作られてたんですが



遊び心満点すぎてめっちゃおもしろかったです
動く!あっちこっちも動く!



この昭和の怪奇的雰囲気さいこう


ここで予想外の出会いだったのが、宮崎駿の口絵による「幽霊塔」!
宮崎駿も乱歩好きやったんか〜!!めっちゃ興奮した。好きな作家さんと好きなもの一緒やと嬉しいの法則


はやおのカラー絵!この「塔建てちゃおうぜ!」という脈絡ない発想力もはやおらしくて最高


相変わらず建物の描き込みがすごい。これ見てるだけでワクワクする


シルエットだけの影絵部分がとても好き
呪いを受けてさすらうヒロインの話、ハウルの動く城のソフィーもそうやもんな


なんとはやおによる絵コンテまである


すごい。映画で見たい。映画で見たいです宮崎さ〜〜〜〜〜〜ん!!
この本、のちほど購入して読了しました。おもしろかった、蜘蛛屋敷から後半にかけてめちゃくちゃドキドキした


一転してこちらは乱歩によるスケッチ絵
左が結婚したお相手で、上には祝言のときの俯瞰図まで描いてあっておもしろい
これは乱歩自身がスケッチ、手紙、雑誌、新聞の切り貼りで作り上げた自伝的なスクラップブック「貼雑年譜」。ポートフォリオのもっと自由版的な。これ見て自分のやつも作りたくなった


自身の作品の広告もちゃんとファイルされてます
いいなぁこういうの!


そして私物




乱歩が撮影したフィルム映像もありました
鳥羽の景色と海女さんたちを撮ったものですが、文字スーパーが入ってたりカット編集とか遊び心があって、かわいかった。とくに大根の恥じらいが


乱歩自身、少年時代に同性愛的体験があり、異性との恋もしたがそれはどうも偽物みたいな気がした…とまで語り、同性愛研究家だった岩田準一と熱心に語らって生まれた作品が「孤島の鬼」と。乱歩と岩田氏との関係も作品に投影されていると。なるほど……興味深い……興味しか湧かない
「孤島の鬼」は何度か漫画化もされてるようで、置いてあった一冊を同行者が読んでたんですけど、めちゃおもしろいと言ってたからとりあえず原作から読んでみなあかん(使命感)



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ところで先述の通り、この乱歩ミュージュアムは元々は岩田氏の生家で、化粧品などを売る商店だったらしく、古い時代の物がいろいろ置いてあってそれを見るのも楽しかった



昔の化粧品の広告とか


看板とかもたくさん




昔あった劇場の物だろうか


こちらは斜め前にあった遊郭「津の国」のくぐり戸
建物は解体されてもこういうの残してくれるのありがたい。もちろん建物自体を残してくれてると、よりテンション上がりますが。維持・保存が大変ですもんね、古い建物は



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別府とかもそうでしたが、古い温泉街なので周囲には夜のお店の廃墟がたくさん
ほんとこういう雰囲気だいすき








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こちらも地図を見てて「鳥羽城跡」しかも「九鬼水軍の城」との文字を発見し、無視できなかった


九鬼嘉隆によって築城され、海に差し迫り大手門は海側に開かれた水門という、まさに水軍のためのお城。かっちょいい
九鬼嘉隆は織田信長、豊臣秀吉に仕えて水軍を率い戦で活躍したけど、関ヶ原の戦いで自身は西軍、子供は東軍につき、まぁ関ヶ原の戦いあるあるでお家を守るためでしょうね、それで西軍が負け、子供は必死に助命嘆願したけれど、九鬼嘉隆は切腹し自害したという


すごい急斜面にすごい段差の石垣



下から仰ぎ見るとより迫力がありました


本丸の石垣


本丸跡には何も残っていません


巨大な大井戸跡は、ここで暮らした人々の多さを感じさせる


本丸からの景色、鳥羽湾を一望
こういう景色を毎日見てたんやろうなぁ


ところで本丸跡地のすぐそばには旧鳥羽小学校があり、いまは廃校になってるようで、すばらしい廃墟具合でした



もとからこの色なのか、黒みがかっていてかっこいい



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鳥羽から移動し、やはり伊勢神宮にはご挨拶に行っておこうというわけで駅から歩きました
こちらは鳥居前でご挨拶しただけやけど、静かな空気ですごく雰囲気よさそうやった。次の時はお参りしよう


ひさびさのおかげ横丁は、相変わらず人が多くて活気があふれ、相変わらず建物がすばらしい


瓦の上に猫ちゃんの瓦!かわいい


にゃーん。ご覧ください、なかなかの足の角度の再現度


なにかの祭りなのか、太鼓の演奏をしてました



こちらの瓦にはお猿さんが


こういう光景は100年前も200年前もそう変わらんのやろうなと思ってしみじみする





赤福本店でちゃっかり、作りたての赤福いただきました
ほんまあんこがなめらかで美味しい


縁側からの五十鈴川を臨む


本店の奥、一般公開はされてないけど、素敵な庭園が
これは金持ち審神者の庭


とにかく晴天に恵まれ、川面がきらめいて、最高の散歩日和。遠くの山々までくっきり見えます


こちらは神馬が通る道


伊勢神宮の内宮にやってまいりました


五十鈴川の御手洗場
昔はここで全身を清めたそう(とすぐ近くにいたガイドのおっちゃんが言っていた)



あたりには樹齢数百年ありそうな立派な木々が
思わずトトロを口ずさむ我々


ここからは撮影禁止というわけで、拝殿でお参りしてきました


それにしても天気がよかった〜紅葉したらまた良い景色でしょうね〜〜


そしてやっぱり建物がすばらしい




おかげ横丁をぶらついて帰路につきました
おしまい!

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