戊辰戦争150周年勝手旅と西浅草昭和レトロの巻

2018年11月24日土曜日

オタ活

t f B! P L

おはようございます
勝手にひとりでやっている戊辰戦争150周年旅、本日は千葉は流山
の前にホテルとってた蒲田でチャーシューラーメンをむさぼり食いました
炭水化物たっぷりとって、一路、常磐線へと乗り継ぎつつ千葉入り
流鉄という流山線に乗りましたが、ザ・ローカル線という感じの駅舎と車両、のどかな車窓で大変よかったです


流山駅にたどり着き、駅から歩いてすぐ、たまたまのぞいたお稲荷さんがまさに近藤勇と土方歳三が戦勝祈願したところでした
手を合わせてご挨拶してから新撰組陣屋跡へ


陣屋とされた長岡屋さんの当時の建物はもう取り壊されて現存せず、土台の石が残るのみ


説明看板の前に立っているだけで、ガイドのおじいちゃんがスーッ…と寄ってきて説明をしてくれる素晴らしいシステム
私にいろいろ説明してくれたガイドじいちゃんがやっぱり歴史好きの方で、日野行った?京都行った?伏見も行った?という話で盛り上がりました。おじいちゃんもだいぶ色々歩き回ってはってすごい、私も見習ってもっと色々行こう


甲州街道での敗走後、綾瀬に屯集していた新選組は、新政府軍が迫っているのに気づき4月1日、江戸川を渡って下総流山へ
しかし大砲やら鉄砲やらで武装した200人規模の軍隊、すぐさま新政府軍に動きを知られ、3日には新政府軍に三方から取り囲まれ、隊長である近藤勇は出頭を命じられる
彼ら幕臣の主家である徳川慶喜がすでにこの時は将軍職を退いて蟄居してたため、部下である彼らは新政府軍と戦闘するわけにはいかず、勇は出頭に応じることになる


この時の様子はいくつかの史料に残ってるけど、上のは流山市立博物館の開架に置かれていた本からの抜粋
すでに切腹を決めていた勇を、歳三が止めたわけやけど、結局は勇はその後の詮議で正体が露見し、板橋宿にて腹を詰めるという武士の誇りも与えられず、罪人のように斬首されてしまい、親友をそんな目にあわせてしまった負い目もあって歳三は北上して戦い続けたんやろうなと
しかし見方によれば、勇はこの時、腹を切らず自ら出頭することで、歳三をはじめ隊士たちを逃がすことができたわけで、とてもせつない決断。実際、勇の付き添いで一緒に出頭した野村利三郎と相馬主計は勇の助命嘆願で逃がされ、一緒に箱館まで戦い続けるし
大河の「新選組!」でもこの流山での勇と歳三のお別れのシーン、めちゃめちゃええんよなぁ…ふたりがほんま、局長とか幕臣とか関係なく、ただの友達の顔して抱き合ってて

ちなみに流山市立博物館には、長岡屋さんの当時の階段が残されてました。ふたりが実際踏んで行き来したはずの階段。昔の家によくある、幅狭くてめっちゃ急なやつです


ガイドのおじいちゃんと色々話し込み、すぐそばにあったお土産所で当時の建物の写真を見せてもらいました
下半分の瓦は明治以後に継ぎ足したものらしいけど、それにしたって立派な大屋根!おそらくこの二階部分に幹部たちが宿泊していたのではとのこと。もちろん隊士全員がここに泊まれるわけはなく、近くの寺社に分宿してたようです
平成までこの建物は残してあったけど、やっぱ維持修復が難しくて、解体になったと。そらこんだけの瓦屋根やと、台風も地震も怖いもんなぁ


一緒に飾ってあった、近藤勇が小西酒造さんにお金借りたことを証明する借用書
小西酒造というと伊丹にある酒造店です。私も行ったことある!その小西さんと、ここの長岡屋さんという酒蔵さんが古い馴染みとかで、この書を譲ってもらったんだとか
借用書が残ってるってことは、もちろんお金を返してもらえることはなかったんでしょうけど。歳三の借用書も近年、大阪の大同生命本社で展示されてて、朝ドラにも出てきて話題になりました
それにしても勇、いい字を書くな。いかにも剣豪って感じの力強さでかっこいい


土手をのぼってのぞんだ江戸川
この日もめちゃくちゃ天気よくて、川面がきらめいて風が渡って、すごい良い景色でした
近藤勇はこの川を渡って連行され、無念の斬首。最後の瞬間、何を思ったやろうか




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ガイドのおじいちゃんにおすすめ〜と言われたというか、江戸時代初期に創建された神社なのできっと新選組のみんなも参っただろうとのことで、流山の浅間神社へ
浅間神社は富士山を御神体として各地に分社があって、江戸時代あたり、富士山にお参りに行く富士講ってのが流行。ちょうどこの旅中に読んでた横溝正史の人形佐七シリーズの話でも出てきました富士講
で、実際に富士登山できない人もご利益にあやかれるように、ということで


かような富士塚と呼ばれる富士山を模した塚が、各地の分社に作られたらしい
中でも流山の富士塚はかなり大きいものらしく、しかも本物の富士山の溶岩を使って手作りされたものとのこと。実際にここ登れるんですが、一合目、二合目って石板が置いてあったり、かなり急峻だったりして、登るの楽しかった。足何度かすべらせてヒヤヒヤしました


この浅間神社の付近は昔は流山街道と呼ばれた街道だったようで、風情ある建物が残っております
時間あればもっとこのへん散策したり、江戸川沿いを歩いてくだりたかったな〜!また次の楽しみにしよう




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新選組の足取りを逆行しまして、お次は現在の東京都足立区綾瀬へ
こちらはこの綾瀬一帯の開拓者のひとりだった金子家さん。祖先の金子五兵衛さんの名前が当時の地名として残ってるような、地元の名士のお宅


こちらに残っている金子家文書に、甲州帰りの新選組が滞在していた記録が残されてるわけです。どこどこ宅に何人、どこどこに食料や燃料どうとか。なんせ最終的に200人以上の隊士が屯集したため、村人は物資集めやらなにやらで、てんてこ舞いやったそうです
それでも金子さんは旧幕府軍に奉仕することを決め、宿や食事を提供したんだとか。当時の人たちのそういう、見返りのない奉仕精神。すごい。行きずりの侍にご飯提供する話とかしょっちゅう聞く。ほんとすごい

綾瀬村に滞在していた時の彼らの様子は、この金子家文書や村人たちの伝聞で残ってて、史料の中で私の一番のお気に入りなんですが






かように穏やかな二人の最後の日々だったかと思うだけで泣けてくる始末


こちらも隊士たちが魚釣りをしていたと伝わる綾瀬川
「慶応四年新撰組」で歳三が「綾瀬川では魚より女がよく釣れた」と名言を残した場所でもある。そういえば大河ドラマでも魚釣ってる勇の横で女釣ってたな
護岸整備で川はすっかり近代的な姿ですが


橋の名前に当時の五兵衛新田という地名が残ってます


こちら綾瀬稲荷神社
この裏手にある観音寺にも隊士が分宿していたそう。残念ながらすでに閉門時間で入れなかったので、稲荷神社でご挨拶しました

この夜は私が飲みにいきませんか〜?!と軽率にナンパして、ひだねさんと飲み明かしてました。さんざ土方組の話ばっかして楽しかった
ひとつビックリやったんが、私が前回インテでとうらぶ本出すってゆったとき、ひだねさんのフォロワーさんで私のガンダム本を持ってらっしゃる方が反応してらっしゃったと伝え聞き、いやーほんま長年オタクやっててよかったなと、こんな私でも本出しててよかったなと。心底
次の日の閃華大合戦でも、スペにわざわざ長年の付き合いの方がいらしてくださったりして、ほんとありがたいなと、こんな私を見捨てずいてくださって本当にありがとうございますと心から、もう感謝しかないです
それから前回出した本を「すごく良かったです」って言っていただき、マシュマロでもコメント投げてもらったんですが、直接そういうコメントいただくとまた大変嬉しくありがたく…書いててまた嬉しさがこみ上げてきた…またああいう話描こう…

あとスペに何人かレイヤーさんがいらしてくださって、かぁ〜わいかった〜ですね〜〜〜〜〜ニヤニヤしながら「素敵です!」「衣装すばらしいです!」となにかしらコメントせずにいられないべいたであった




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そんなイベント帰り、新幹線までの時間にずーーっと行きたかったカフェ飛び込んできました



女将さん手作りのプリンにキャロットケーキ、そしてそれに合わせた日本酒!
もう最高の取り合わせです。このプリンが、よくあるなめらか系じゃなく昔のこう固めのやつで、季節のかぼちゃ味で、もうめっちゃくちゃ美味い
キャロットケーキもほんまめっちゃくちゃ美味い
そして日本酒も美味い
美味いものしかない。最高


女将さんが横溝正史ファンで、お店の名前も作品からつけられたもの
店内には横溝本が並んでて手に取れますが、こちらは初版でお客様からいただいたものだとか。プレミア〜!


毎年、横溝氏の疎開先やった岡山倉敷で「千人の金田一」という仮装イベントが行われているらしく、その冊子を見せてもらって、めっちゃおもしろかったです
金田一以外でも横溝作品ならOKとのことで、こんな変わり種のコスプレも。なにこれめちゃくちゃ楽しそう。それ誰やねん!ていうキャラで参加したい
来年はこれ行くしかないって女将さんとお手伝いさんと盛り上がりました


店内は昭和レトロな雰囲気でめっちゃ良いです。このタイル床とカウンターは元からあったものの再利用らしく、細々とした家具などは女将さんが集めたんだそう


着物関連グッズも売られていました


こちらの柱時計は女将さんのお祖父さんのものやったとか。いい年季ですね〜木目といい色味といい素晴らしい
SEIKOSHAって書いてるからお祖父さんも喫茶店なり書店なりやってはったんかもしれないですね

この喫茶店では朗読会や読書会、いろんなイベントが行われてて、いつもツイッターで見ててめちゃくちゃ楽しそうって思ってて
自分の好きなものを「これが好き!」って言えば言うほど同志の方が集まって、人の縁ができていくんやなぁとしみじみ。とてもいい時間でした。ごちそうさまでした

QooQ